A級ライセンスは雨音の調べ


10月19日、20日の2日間、栃木県にあるツインリンクもてぎにてA級ライセンスを取得するスクールに参加してきました!

講師として茂木のスタッフのほか、GT、ジムカーナ等で活躍される山野選手、S耐・ジムカーナ等で活躍される日部選手、2日目にはもてぎの審判(?)をされている方も参加され、とても豪華です。


講習の流れとしては、1日目にB級ライセンスの取得、北ショートコースでのジムカーナ競技の練習、もてぎのサーキットライセンス講習、A級ライセンスに向けての特別講習、生徒・講師(山野選手・日部選手、茂木のスタッフの方を交えての夕食会。
2日目はジムカーナ大会、A級ライセンス講習と試験、ロードコース(東コース)での実技試験となっています。

そして!!この講習で使用される車両は「Mote-La」と呼ばれる1300cc 5MTのフォーミュラ車両です!



                そうそう、これに乗りたかったんだよ〜。

エンジンはFITと同じですが、動きはまさにフォーミュラ車両です。
基本的にニュートラルステアでも、乗り方ひとつで、アンダー・オーバステアが顔を出します。
車体も約500kgと軽く、乗っていて本当に楽しい車両です


1日目


まずは今回の講師紹介と参加者の自己紹介から始まります。
参加される年齢層は下が22歳から、上は51歳(!)と幅が広いです。
さらに、今回は雑誌「SPA!」と「HONDA STYLE」の体験取材の方も参加されています!
こんな幅広い方が総勢19名でこの2日間をともにします。ちょと楽しみです。

さて、自己紹介が終わったあとで、早速B級ライセンスの講習会が始まります。
B級ライセンスは座って聞いているだけで取得できます。ここは寝ないようにコーヒー片手にがんばります。(笑)
講習は約2時間で終了し、昼食。
おっと、ここまでは本コースのコントロールタワーで行われました。

1日目の午後
昼食後、バスに乗って北ショートコースに移動します。
2日目に行われるジムカーナにむけてMote-Laの基本的な乗り方、コース歩き、練習走行が行われます。
車は2人一組で、A組・B組と分かれ交互に使用します。

さて、まずは車に乗り込む前にコース歩きです。
本来、ジムカーナと聞くとパイロンを立ててぐるぐる回るイメージですが、今回は初心者向けです。
ショートサーキットをコースどおりに回る感じです。
180度ターンもありません。(Mote-Laにはハンドブレーキというものが存在しません。)
講師とともにコース上を歩いて、各ポイントについて説明を受けます。

 本当に歩きます。このとき雨はパラパラ。

その後はMote-Laに乗って慣熟走行です。
講師の車の後についてコースを回ります。今回は講師の直後につく車を毎周ごとに交代します。
そのため、全員真後ろでプロの走行ラインを見ることができます。

さらに練習走行を行い、タイムを2回計測します!
しかし!!


このときすでに雨が降り始めていました・・・。
コースコンディションは悪く、とても滑りやすい・・・。(汗)

コースは天気のいい日のドライと雨の日のウェットがありますが、同じウェットでも「雨の降り始め」「雨」では前者の方がものすごくコンディションが悪いです。
なぜなら、コース上に砂がある上に水を撒かれるので、路面とタイヤの間に砂粒+雨水が入りグリップが極端に低下します。
タイヤに溝が切ってあっても、砂は取り除けないので非常に滑ります。(一般道でも同じです)

しっかり雨が降ってしまえば、砂が流されるので路面とタイヤの間には雨水だけなので、ある程度はグリップします。


さて・・・。
私の練習走行一回目〜。
慎重に走ります。とても慎重です。
でもどこまでグリップするのか確かめなくてはいけません。

最終コーナーを抜けつつストレートで加速!!!!!


・・・!?

ストレートに車が進んでいません(汗)
俗に言う「オーバーステア」状態です
やばい!!!

チェッカーフラッグを振る審判が正面だ〜(大汗)
ここでグリップ回復はだめだ〜。人命にかかわる〜。(必死)


コース脇のコンクリートウォール(クラッシュパット付)が正面だ〜。(滝汗)
ここでグリップ回復はだめだ〜。クラッシュパットがあるとはいえ、マシンの修理代が高すぎる〜。(超必死)


車を側面に向けてぶつけよう〜!!!

これなら絶対に壊れない〜。(マジ必死)




・・・停止。






セーーーーーーーーーフッ。(滝汗)




とりあえず、前進・後退を繰り返し、正面を向いてゴール。

(後で後ろ向きのままでゴールすればよかったのに〜。と言われた)


知りませんでした。(T-T)
今度機会があったら是非。(でもやだ)

そのあと講師から一人ずつの走りについてアドバイスが頂けます。

「・・・nobiさん(もちろん本名で呼ばれますよ)」
「はい」
「アグレッシブですね〜。」
「はい(涙)」
「車の滑り出しを感じて修正できているようです。最後以外は。」
「・・・。」
「最後まで気を抜かないで行きましょう」
「はい。」(ToT)


さて、計測1回目、2回目を済ませて、最後に講師の方がデモランをしてくださいました。
ちなみにこの日の生徒のトップタイム46秒前半、私48秒前半(練習走行の後、抑えすぎ)でしたが・・・


41秒後半〜42秒前半でした。(@o@;;;;;;




ひとしきり練習した後は、ツインリンクもてぎのサーキットライセンス講習です。
1時間の講習ですが、先の練習走行ではしゃぎすぎて眠かったです。

しかし!役に立つ情報や基本的なこと、ツインリンク特有(?)な事など、いろいろ盛りだくさんなので、必死に目を覚まして聞いていました。
黄旗の解除って事故車の次のポストまでだったんですね。
カート場だと狭いので、事故車以降が解除だと思ってました。(汗)


さて、まだまだ講義は続きます。(笑)
・・・といってもプロによるA級ライセンス特別講義で、「サーキットを走るときはこういう事に注意しましょう」という実体験を交えた講義(というかお話)でした。
特にフロントガラスの曇り止め対策は参考になりました。


これで、1日目の講義は終了です。ふ〜。


さて、お楽しみの夕食会です。
ホテルツインリンクにチェックインし夕食会へ。

もちろん講師である山野選手、日部選手も同席されます
そこで色々と貴重なお話が聞けました。

ちょうど山野選手が同じテーブルになったときに北ショートコースでのデモランについて聞いてみました。

すると、「タイヤのグリップを感じながら走る事が大切」とアドバイスを頂きました。
「確かに大切ですよね〜」




ここまでは普通。
この後山野選手から衝撃の一言が。








「今日乗ったMote-Laのタイヤは縦溝が3本あるでしょ」
「?はい。ありました」
「ということは地面に1本のタイヤにつきブロックが4個あることになるよね」
「??はい。そういうことになります」

「僕はそのブロック1個づつのつぶれ具合を感じながらグリップを確かめて走るんだよ」



まじですか!!!!
それはどこで感じるんですかーーーー!

「走る量にもよるけど2年くらいは練習が必要だね」




到達できるかわかりませんが、がんばります〜(泣)



また、日部選手からもアンダーステアを故意に利用する方法についても教えていただきました。
これは内緒。
カートでこっそり試してみようっと。

さて夕食会も終盤、今日のジムカーナ練習のタイムと順位が発表されました。
ちなみにこの時点で私は10位。
最後に仮発行されたB級ライセンスをもって、1日目はお開きになりました。




2日目

朝の時点ですでに雨。
しかも昨日より降ってる・・・。台風22号が15時に四国へ上陸するとの事。

あまり色々考えず、今日の集合場所へ移動。
そう、今日はジムカーナ大会なのです。
この目的は一つ。
JAF公認のジムカーナ大会で「完走」すること。
ここで完走しないと、A級ライセンスの取得資格が得られません。
ちなみに「完走」とは、2回の走行のうち1回は以下をクリアする必要があります。
  スタートから3分以内でチェッカーを受けること
  コースからタイヤ4本はみ出さないように走りチェッカーを受けること
  (タイヤ3本まではペナルティが加算されますが、4本の場合ミスコース扱いになる)
まず、コースの発表があり練習走行、競技1回目、2回目となります。
ちなみにコース上には「池」が2箇所できています。
昨日とコースコンディションが違います。(泣)

   ・・・つうか、雨降りすぎ(汗)


とりあえず、練習走行に出撃!
1コーナー、2コーナーに池があります。
みんな池をよけていましたが・・・。

迷いなく突っ込む!!!!!!

多少ハンドルをとられましたが、クリアー。
よしよし。作戦通りだ。ブレーキを踏む代わりに池に突っ込んで失速させよう。
池に突っ込んだほうが最短距離で走れるし。(ニヤッ)
タイムは昨日より1秒アップ。まずまずかな。

いよいよ計測1回目。
行けーーーーーっ&池に突っ込めーーーー。

ザバーーーーーーン。

・・・あれ?ハンドルが取られる〜〜〜〜〜。
車が回る〜〜〜〜〜〜〜。
コースアウトはやだ〜〜〜〜〜〜〜。



辛うじてコース上にとどまる。(危なかった)
しかもエンストしてるし。(汗)
落ち着いてエンジン始動・・・あれ?
エンジン始動・・・あれ?
早くかかれ〜〜〜〜〜〜〜。(滝汗)
ブォォォォォォーーーーーーー。

あとは安全運転モードで無事ゴール。
記録も1分30秒くらいなので、とりあえず完走。(−−;;;

   雨の中スタート。見てるほうも大変

   スタートと同時に4輪水柱が立つ

計測2回目。
池を微妙に避けました。あとは積極的にドライブ!!


総合結果。20台中4位でした。
3位まで0.1秒足りなかった。JAFのメダル欲しかった・・・。(T-T)。

このときプロによる同乗走行も行われました。車はインテグラです。

やっぱり速い・・・。

写真で見にくいけど、実は2台がぴったり付いて走ってます。

水柱は1台目が立てたもの。手前のインテグラはこれから突入。


さて競技が終わり、バスで講習会場で移動。
早速A級ライセンス講習(学科?)と試験を行います。
ポイントは講習を良く聞く、とにかく寝ない!がポイントです。 試験も問題なくクリアーして昼ごはんとなります。


そして、いよいよです!
これを待っていたんです!!
A級ライセンス取得試験(実技)!!!
コースはもてぎ東コースです!!!
GT選手権とかレースで使用しているあのコースです。
そこをMote-Laで走るんです!!!楽しみだ!!!


午後早速移動。
あこがれのもてぎ本コース!!
まずはミーティング。
今回の目的はあくまで実技試験
まず、プロドライバー先導による慣熟走行です。まずはコースを覚えます。

   東コースのピットロードから出撃!


続いてフリー走行1回目。
この走行から試験開始です。
試験内容は、コース上で振られる旗などの指示に対して適切に対応できているかを見られます。
コース各所にはカメラが設置されており、試験官の方々がモニター越しにチェックしています。(@o@)

1回目の練習走行後、山野選手・日部選手からアドバイスが戴けます。
「えっと・・・nobiさん」
「はい」
「チェックしていた中で一番アグレッシブな走りをしてますね〜」
「はい(汗)」
「V字コーナーで良い突っ込みをしてます。車の滑り出しもうまくコントロールできてますし」
「ありがとうございますっっっ。」
「ひとつアドバイスをすれば・・・」
「・・・はい(何だろう???)」
「コーナー出口でもうちょっとアウトに膨らませてやれば、立ち上がりで滑らずに走れますよ」
「!!!なるほど!!!」

2回目の走行で早速試してみました。


・・・
・・・なぁ〜るほど〜。

納得です
ちょっと縁石に乗るのを躊躇していましたが、乗ってみるとそんなに滑りません。
雨だしフラットな縁石だからだめだと思ってたんだけど。
う〜ん、やっぱりTRYすべきでした。


    台風だろうがアクセル全開!

  (乗っているのは私ではありません)




この2回目の走行の待ち時間にプロドライバーの同乗走行が行われました。
私は山野選手のインテグラに乗りました。

・・・ すげぇ〜〜〜〜。
雨の中でも向きを変えるために少しドリフトさせて走らせています。(大汗)
アクセルもブレーキもメリハリがついてるし。
・・・勉強になります。

         これから出撃!

この後、下りストレート全開の後一気に減速して右コーナー突入。




最後にスタートの練習です。
グリッドへの試走、フォーメーションラップ、スタートを行います。スタート後は少し走ったらフォーメーションでピットに戻ります。
もちろん、これも試験の対象です。

    P.P.は山野選手のインテグラ。

  スタート後に減速するようパトライトで

    後続車に支持を出すためです。

 


さてこれらがすべて終わった時点で、すべての講習プログラムが終了です!!!!


コントロールタワー近くのミーティングルームで最後の総評とA級ライセンスを全員取得できたことが告げられました!!
よかった〜!!


最後に・・・

今回の講習は13万とはっきり言って高額です。
しかし細かく分解すると結構お得だと思います。

B級ライセンス講習+もてぎのサーキットライセンス(TRMSーC)+A級ライセンス講習+JAF入会+Mote-Laの走行2日分+プロドライバーの同乗走行2回+ホテルの宿泊代をそれぞれ出費するのよりは安いのでは??

(10月24日 記)